適職判断法

本来、四柱推命は、人事登用のための占いとして古くから中国の宮廷などで用いられて来ました。

その人が生まれながらにして持っている、能力や素質を四柱推命によって知り、適材適所に人を配置するということが、その狙いでした。

それだけ信用度が高く、昔から社会の中で浸透していた占いですから、ここ日本においても、企業の人事コンサルティングなどに、しばしば利用されています。

四柱推命で職業・適職について鑑定する際、ポイントとしては次の三つが挙げられます。

  1. 天干星(変通星)
  2. 天干従化
  3. 正官の五行

以下に、それぞれの詳細を説明します。

適職判断のポイント【1】 天干星(変通星)を看る

主に、月上の天干星を中心として判断しますが、流派によっては時柱を人生の帰趨とすることから、時上の天干星で職業・適職を看る場合もあります。

要は、月上を中心としつつ天干星の並びによって総合的に判断するものです。
以下に、天干星別の職業・適職について看ていきます。

  • 劫財
    自由業、独立した仕事、営業、仲介業、投機的な仕事、相場師、貿易。
    海外で仕事をする場合もあります。
    職人としての要素を持っているので、自分だけの考えでやっていける商売がよい。
  • 比肩
    自由業、独立した仕事、束縛されない仕事、請負業、弁護士、医者。
    融通が効かず、束縛されるのを嫌う為、組織に属することは難しい。
    海外で仕事をするのは良い。
  • 敗財
    独立業、職人、ボランティア、介護士、看護婦、保母・保父。
    奉仕関係など、人の為に生きる仕事が向いています。
    金銭を扱う仕事には注意が必要です。
  • 食神
    飲食関係、薬品・健康食関係、農業、服飾関係、サラリーマン、デザイナー、サービス業、芸能関係、問屋、保母、趣味産業等。
    一番良いのは飲食業。子供に関する仕事でもよい。
    人気運なので、サービス業や芸能界でもやっていける。
  • 傷官
    コンピュータ関係、医者(特に外科医)、芸術家、鑑定士、古物商、弁護士、会計士、通訳、スポーツ。
    特殊才能を活かした職業。
    競争や駆け引きで勝利を得る仕事に向いている。
    感覚的鋭さを生かした仕事がよい。
  • 偏財
    商売、営業、金融業、流通業、仲介業、サービス業、マネージャー、広告代理店等。
    金銭の出入りの頻繁な仕事に向いている。
    サラリーマンなら営業向き。独立して商売をするのも良い。
  • 正財
    サラリーマン、公務員、総務、経理、事務、銀行・金融関係、商工業、金銭を扱う職業。
    堅実に仕事をこなしていくのでサラリーマン向き。
    偏財よりも正財の方が世に代を成す。
  • 偏官
    政治家、警察官、自衛隊、建築業、スポーツ、職人、営業(但し、ペコペコすることは出来ない)、会社員(転勤族が多い)。
    動きまわる仕事。実力主義の世界がよい。
    同じ官星の正官との違いはブルーカラー的であるということ。
  • 正官
    公務員、官僚、堅実な企業のサラリーマン、管理職、銀行員、マネージャー。
    基本的には組織の中で活動する仕事。
    いわゆる役人向きの星で、年功序列の社会で発展します。
    同じ官星の偏官との違いはホワイトカラー的であるということ。
  • 偏印
    学者、漫画家、デザイナー、芸能マスコミ関係、アナウンサー、医者、美容師、コンピュータ技術者、僧職、法律家、占術業。
    普通のサラリーマンになるよりも、このような独特の世界を持つ職業に就いた方が能力を発揮できます。
  • 印綬
    学者、教師、芸能人、作家、医者、芸術家、宗教家、アナウンサー、相撲取り、古典芸能、サラリーマン。
    バランスのとれている星なので、食神と同じようにオールマイティーに適応していきます。
    官星などと一緒で、地支が良ければサラリーマンでも相当出世します。

適職判断のポイント【2】 天干従化を看る

天干従化とは日干から職業・適職を判断する場合に用いる見方です。

  • 甲:作比肩(なすひけん)
    独立独歩の仕事、自主的業務、税理士、計理士、医者。四柱組織によっては共同事業には注意が必要とされる。
  • 乙:作傷官(なすしょうかん)
    特殊才能で生きて行く。弁護士、弁理士、会計士、仲介業、仲買人。スポーツ選手、格闘技。
  • 丙:作偏財(なすへんざい)
    お金に関する仕事。小売商、仲買人、金融業、広告代理店。
  • 丁:作正官(なすせいかん)
    組織の中で活動する仕事。会社員、公務員、銀行員、実業家。
  • 戊:作偏印(なすへんいん)
    才能を生かす仕事。美容師、料理人、板前、俳優、タレント、人気商売。
  • 己:作劫財(なすごうざい)
    土木建築業、鉱山業、技術者、投機的な仕事、相場師、酒屋。
  • 庚:作食神(なすしょくしん)
    衣食住に関する職業等。サラリーマン、証券業、銀行員、芸術家、農業、問屋、水商売。
  • 辛:作正財(なすせいざい)
    金銭を扱う職業等。金融業、銀行員、興行師、商工業。
  • 壬:作偏官(なすへんかん)
    動きや変動のある職業。政治家、経営者、支配人、建築士、公務員。
  • 癸:作印綬(なすいんじゅ)
    学問芸能などの頭脳労働。教師、研究者、設計士、宗教家、作家、印刷業、工業、実業関係。

適職判断のポイント【3】 正官の所属する五行を看る

  • 「木」の正官(日干が戊己)

    行政機関

  • 「火」の正官(日干が庚辛)

    教育・文化・芸術分野

  • 「土」の正官(日干が壬癸)

    農林・土木・建築分野

  • 「金」の正官(日干が甲乙)

    経済・金融・財政分野

  • 「水」の正官(日干が丙丁)

    商業・工業分野

職業・適職は、以上の三点を総合的に判断し、更に性格の短所・長所を勘案した上で判断しなければなりません。

例えば、偏官・比肩などの”官殺混雑”の並びではデスクワークには向きませんし、正財・偏印などはデスクワークの経理や事務屋さんが多いものです。

特に、金銭を扱う職業の場合には、金銭を扱っても良い人なのかどうかを判断しなければなりません。

また、独立して自営・事業などを始めたい場合などでは、どのようなパートナーを選べば自分の特性を生かせ、また欠点を補ってくれるかを見ていくことも必要でしょう。

また、大運の影響によって職業なり職種、業種が変わる場合もあります。

例えば、大運が食神の時に薬品会社を創業した人物もいましたし、女性では食神の人気運の時にタレントとして人気を博し、大運が変わって、タレントを辞め、タレント時代に稼いだお金で、事業を立ち上げたりするケースもあります。

大運の判断も、1.天干星(変通星) を見て判断することができます。

要は、命式を通してその人の特質と器、及びその人にとっての時期を見抜いていないと、適切な判断は出来ないということです。